相続人が精神上の障害がある場合
相続が発生したとき、相続人の中に認知症の方や認識障害(知的障害、精神障害)などの精神上の障害のある方がおられる場合があります。
相続人が認識障害等であっても相続人としての権利は有しているので、無視することはできません。これらの人を除外した遺産分割協議は無効となり認められません。
とはいえ、認識障害等は人によって症状も様々であり、相続においては意思能力(自分の状況を理解して物事を判断する能力)の有無が重要になります。
意思能力を欠いた人がいる場合、そのまま遺産分割協議をしても他の相続人の言いなりになって不利益な結果になる可能性があるからです。
相続人が認識障害の場合のよくある質問
- 相続人の中に意思表示することができない人がいます。遺産分割協議をするためには、どうすればいいの?
- 遺産分割協議は、相続人全員が参加して、意思表示をする必要があります。相続人の中に認知症その他の病気により、自ら意思表示をすることができない方がいる場合は、そのままでは遺産分割協議をすることができません。この場合は本人のために家庭裁判所において成年後見人を選任してもらい、成年後見人を交えて相続人全員の間で遺産分割協議をする方法が考えられます。
- 精神上の障害により意思能力が不十分の推定相続人がいるのですが、相続が発生した場合に備えて何かできることはありますか?
- 遺産分割協議をするためには、その方の成年後見人等の選任申立手続きをする必要がありますので、相続が発生する前であれば、遺言により遺産分割方法を指定する方法が考えられます。
意思能力の有無によって対応が変わってきます
CASE-01認識障害等であっても意思能力がある場合
その相続人も参加して遺産分割協議を行う。
CASE-02認知症等で意思能力がない場合
成年後見制度を利用して後見人等を選任し、選任された後見人が本人に代わって遺産分割協議を行う。
とはいえ、難しい問題を含んでいますので、ノウハウと経験豊かな私たち九龍橋合同事務所にお気軽に一度ご相談ください。必ずお役にたてると確信しております。